超一流
超一流であることは、誰でもできる。
究極に自分であるとき、あなたは超一流だ。
大切な人や影響力のある人の意見であっても
自分と一致していなければ
取り込まない。
過去に腑に落ちたことであっても
今の自分と一致しているかどうか
細やかに観察する。
身を置く場所に存在するものものたちの
共通の思い込みには特に注意が必要だ。
それはあなたの無意識の領域に、知らぬ間に入り込み
影響を及ぼす。
一点の曇りもなく、あなた自身であるとき、あなたは超一流である。
梅雨どきは鬱っぽくなりたがる
体じゅうの細胞にたまっているのは
出口を見失った燃えかす
水にとけたままじっとしている
新しいアイデアを形にしたい
燃えかすの水が重くて
手も足もお腹も頭もどうにもこうにも
去年はこんなにしんどくなかった
今年はひとつ歳をとったのだ
ひとつ衰えたのだ
悲しい気持ちをくりかえす
悲しい気持ちは強化される
「梅雨のせいだよ」
君の笑い声
「今はみんなそうだと思うよ」
君の笑顔
わたしの悲しみは、テレビを消すみたいにしゅん、と消える
ひらめいたのは
ミント
ブラウスの前たてにぽつん、ぽつん、と2滴たらす
立ちあがれた
まだらに汚れ水は細胞に残っているものの
食べられないだろうと思っていたのに
ビシソワーズに誘われるままベーコンとじゃがいもピッツァからサルシッチャまで
平らげてしまっていた
わたしは実は健康なのだ
いつも病気に仕立てたがる心だけがある
頭では知っていてもぬかるみに突っ込むと抜け方がわからなくなる
君の気楽な笑い声
そしてスペアミントの香りが救い出してくれた
おそらくだが
ペパーミントでもアップルミントでもなく
スペアミントがよかった
いまも香っている
犬よりも【ミライノオヤコ】vol.2
昔の人はね、政治家によく怒っていたわ。
セイジカってなぁに。
よく知らないけれど、みんなの代表として、守るべきルールを作ったりしてたみたいよ。
くすくす。なにそれ。みんなでゲームしてたの?
大真面目にやっていたのよ。でも変なルールがあったりして苦しむ人もたくさんいたみたい。
たくさんの人たちはどうしてそのルールを変えようよって言わなかったの。
大きな声で言ってる人もたくさんいたけど、代表の人は聞こえないふりをするときがあるの。
それ代表じゃないんじゃないの。
そうかもね。
昔の人は、上に立つ人の言うことを聞かなくちゃいけないって思い込んでいたみたい。
えええ。ちょっとしかいないセイジカより、大勢の人の方がパワフルなのに。そんなこと犬だって知ってるよ。
犬たちは、昔から知ってたの。でも人間に合わせて、散歩っていうのに付き合っていたらしいの。
散歩ってなに。
犬に綱をつけて、引き歩くのよ。
えええ。不自由だね。そんなことしなくても犬はついてくるのに。
人間が犬を信じていなかったのね。逃げるんじゃないか。噛むんじゃないかって。
犬はよく黙っていたね。
そうね。犬は人間が好きだから、寄り添ってあげていたのね。
ミライノオヤコ
昔はね、決まった時間に電車が来ることになっていたのよ。
すごいね。昔の人って魔法使いなの?
そういう約束だったのよ。
約束ってなぁに。
たとえば、前の日に、一時半に渋谷で待ち合わせね。って、言い合うの。
ええっ。まさかその通りに行動するの。
そうしないと会えなかったのよ。
めんどくさいことしてたんだね。
そうね。昔の人は知らなかったのね。自然にしているってことをね。
知らないわけないでしょ。自然にしてるって人間として当たり前のことなんだから。
ああ、そうね。当たり前のことをみんな忘れちゃってた時代があったのよ。
ウケる。めんどくさい。普通にしてる方が一番いい時空で会えるのにね。
そうね。きっとこわかったのよ。
なにが。
感覚を信じることが。
なに言ってんの。感覚を信じなかったらどうやって生きてゆくの。体に必要な食べ物も選べないじゃん。
カロリー計算をしたり、栄養素を考えながら調理していたのよ。
えええ。ますますめんどくさいね。匂いで一発でわかることなのに。昔の人って感覚がなかったの?
それがね、ちゃんとあったのよ。あるのに信じられないから、誰か自分より偉い人に教えてもらおうとか思ってたみたい。
きゃはは。バカだなぁ。人によって違うのに。
そうね。自分に必要なものは自分の体以外わからないのにね。
友達だって、会いたい時には思い出すじゃん。
昔の人は、思い出したからって、それは相手とは関係がないと信じ込んでいたのよ。
本当なのそれ?
何かあるから思い出すに決まってるじゃん。なにかのゲームだったのそれ。
ああ、そうかもね。
空
わたしはいない
ただこのからだに
ぐるぐる出たり入ったりしてるだけ
心フローラ
surusuru
いい加減な仕事をして失望されよう
料理に誰よりも先に手をつけよう
犬の散歩は飼い主本位にしよう
着たい服ばかり着よう
会いたい話したい触りたいはすぐ伝えよう
眠たいときはいつどこでも寝よう
青空に誘われたら今すぐ旅にでよう
too late
愛してくれる
あなたは
壊れかかって不自由なまま
幸せにしてあげるから
待っててと
わたしは
あなたを知らなかった
kotoba
書いて伝えたいことが
なぜあんなにあったのだろう
足りなかったのか
ありすぎたのか
レンズの静かにフォーカスして
刹那をつかみとっては
指からこぼれていった
書いては生き
読んでは死んだ
あれから眠り
ここにいる
アンテナをたてた
送ったり受けたり
これはおもしろいね
なにもしてません
ただ眺めている
景色が引きつけ
風が押しやる
潮にたゆたう
脱力と全力はおなじなのだ
ゼロとは無限であった
彼といたわたし 彼女といたあなた
面影を追う
実在は身代りの匂い
いつか還るそのとき
面影のもとにもどるのか
命がけの記憶をだきかかえつつ
どうしてまた愛するのだろう
乾かぬ皮膚を
風になぐられうめきつつ
はて
いつ幸せになっていたのだったか