いいんだよそれで

ごはんちょうだい
そういう犬の顔の可愛らしさ
なんでもしてあげようと思う
愛しい気持ちはあふれる

わたしたちは
そんなに自立をしなければならないのだろうか
半円の人間が
もう一つの半円を求めることがそんなにいけないことだろうか

偉い人の書いた本には
一人でマルになりましょうと書いてあった
完全な形のマルとマルが出会って初めて健全な人間関係が築けるのですと
半円同士で一つの円になることを
共依存と言うのですと
それはいけませんと

わたしは一生懸命頑張った
ひとりでマルになろう
自分の足だけで立とう
誰にももたれないように
誰にも求めないように


でもできなかったよ
ひとりではどうしてもなにかが足りないんだ
男性性はあっても男性じゃない
鏡ににっこり微笑んでもなにも感じないよ
自分で頭をなでて
よくやったねってほめてあげても
ちっとも嬉しくないよ
夕日を見るとき同じように感じる人が
そばにいてほしいよ
夜寝るとき今日もいい日だったねって
おやすみまた明日ねって
朝起きたとき目を開けて微笑む相手が隣にいてほしいよ
わたしの手で愛しい人を撫でてあげたいよ
微笑んで大丈夫って力づけてあげたいよ

そうゆうことは全部
ひとりですることじゃないの
交換こするから
くるくるまわってあったかくあったかくなるの
耳の横から肩から背中までがホッとして
そのとき初めて力を抜くことができるの

わたしは円じゃない
なんなら綺麗な半円でもない
切り口がギザギザなカッコ悪い半円だよ
ギザギザを埋めようって思うのやめた
ずっと半円のまんまだよきっと
それでいいんだ

犬が
ごはんちょうだいって言う
犬は自分でごはんを作れないんだ
だから
ちょうだいっていう顔
すごくかわいいんだ

わたしもギザギザをみんなに見せて生きて行くよ
かわいいんだよわたしのギザギザは
かわいい服を着て
ニコニコ笑って
泣いたりもする
ギザギザな半円を
もう隠さないよ
チャームポイントだから

卑下する必要なんてないんだ
足りない自分それでオッケー
そう思えるその心が
その心こそが
完璧(パーフェクト)
っていうものなんだと思う