独走癖

誰にも言わない
本当にしたいことを行動に移すときは
言ったら
鼻で笑われるかもしれない
禁止されるかもしれない
なんて親不孝モノ
なんて怠け者
なんて遊び好き
お前の本分はなんなんだ
そんなことをしてていいと思ってるのか
どんな思いをしてお前のために働いてるか
お手伝いもこのごろしないし
だいたい部屋がだらしない
洗い物を今すぐしなさい
今すぐお風呂に入りなさい
おばあちゃんに電話しなさい

そんなふうに台風に巻き込まれて自分が見えなくなるから
だからわたしは
本当にしたいことをするときは
今でも
誰にも言わずに黙ってやる癖がある

大人になって
わたしがやりたいことをするとき
それいいね
楽しんでおいでね
って
そう言ってくれる人に出会えて
少なからずホッとした
でも癖は顔を出すもので
今でも絶対に逃したくないことをするときは
誰にも言わないですぐに実行に移す
かなりの即断でかなりの速度
だって見つかったら逃してしまうかも
そんな刷り込みが
今も残っているから
だからあわてんぼうの一段飛ばし

落ちついて
待っててくれるから
誰も反対しないから
誰も蔑まないから
人に話しながらゆっくり楽しく始めても
大丈夫
大丈夫
そうやって今も自分で励ますのです